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2,310円 ナチス政権下の医学と科学の恐るべき歴史はよく知られている。そのため、ナチスが世界で最も積極的に癌と戦う政策をとっていたことは、意外に思えるかもしれない。ロバート・N・プロクターの『The Nazi War on Cancer』(邦題『健康帝国ナチス』)は、ほとんど知られていないこの事実を詳細に伝える示唆に富む1冊だ。
ナチスは「民族」の健康を守ることにきわめて強い関心を持っていた。癌は増大する脅威とみなされ、おそらくアドルフ・ヒトラーの頭の中でも特別な意味を持っていた(彼の母親クララは1907年に乳癌で死亡している)。ナチスの医師たちは多くの領域で癌と戦った。環境や職場におけ